24日(土)

この日は、住総研*1が主催する「江戸東京フォーラム」に参加しました。
テーマは『杉田玄白と小塚原の仕置場』。ちょうとこの時期に同名の展示が荒川ふるさと文化館*2で開催され、その関連イベントとして開かれていたようです。


フィールドを回ってから展示を見て、フォーラムを聞くというスケジュールでした。
13:30JR南千住駅集合。フィールドは、回向院*3首切り地蔵延命寺*4素盞雄神社*5という、なかなか濃ゆいコースでした。
首切り地蔵のある延命寺の周りには、なぜか風鈴が群を成して飾られていたり、回向院の墓所が「好評発売中」だったり、なかなかにおもしろかったです。


展示
巡検のあとは、荒川ふるさと文化館で開催中の『杉田玄白と小塚原の仕置場』展をみました。
展示は以下のコーナーごとでした。

  1. 「仕置き場」がある空間としての小塚原の紹介
  2. 「仕置き場」でなされた処刑、馬が埋葬されていたという発見
  3. 杉田玄白の『解体新書』の元となった「仕置き場」での腑分け
  4. そして最後のコーナーが、小塚原刑場跡の地層標本*6

1では「仕置き場」が田圃の中に位置し、しかも幹線道路に面していた、つまり見せしめの役割をしていたこと、がわかりました。古地図がたくさんあって楽しかったです。
2では処刑された死体の試し斬りをした山田朝右衛門が使っていた刀。この人が「首切り朝右衛門」なんだな・・・と思いながらみてました。彼の家で売っていた「人肝丸」ってのは要するに処刑された人の肝臓だったのですね。熊の胆とどっちが効くか。同種の人の組織のほうが効率がいいでしょうが、病気は感染しやすいでしょうが。
3では死馬の処理にもいろいろな種類があったようなことがわかりました。


その後は、展示に携わった職員のみなさんを中心としたフォーラムでした。
博物館の職員の意識の共有、博物館の使命、増え続ける業務内容、といった内容が印象に残りました。


最後は懇親会でした。
関心が近い人同士の飲みは楽しかったです。

*1:財団法人住宅総合研究財団 http://www.jusoken.or.jp/index.htm この団体、『都市下層社会の形成と変容』だの『 考現学の考古学』だの『路上から見た江戸・東京』だの『世界都市東京の光と影』だの『都市の語り出す物語』だの『江戸の被差別・東京の被差別−もうひとつの江戸・東京−』だの『東京都心部における空間利用形態』だの『新宿ヤミ市の復原』だの『博覧都市江戸東京』だの『 首都の葬送空間−江戸・東京の火葬場と墓地−』だの『 河鍋暁斎と江戸東京』だの『明治期の被差別部落−都市東京と植民地主義の言説編制から−』だの『江戸の見世物』だの『千住の町おこしと地域博物館の取り組み』だの『 江戸の怪談と怪異空間』だの、なかなか好いたらしいフォーラムを開いていたようです。

*2:http://www.city.arakawa.tokyo.jp/a002/d05200001.html

*3:http://www.arakawa-unet.jp/issue/saihakken/0403/ekoin.html

*4:http://www.arakawa-unet.jp/issue/saihakken/0403/enmeiji.html

*5:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B5%E3%83%8E%E3%82%AA

*6:3と4の間にも展示があったのですが・・・記憶が抜けてる・・・