迎え盆

トラノオ

調査のために、千葉県印西市結縁寺へ。
家人が車で現地まで連れてってくれました。
カーナビ君、ありがとう。


まず結縁寺にある結縁寺から調査開始。
ご住職でもいたらお話を聞きたいな〜・・・と思って境内に入っても、だれもいません。
てゆーか、お寺の扉が閉まってる・・・
本来なら、お寺は棚経で檀家さんを回らなければいけないので、とっても忙しいハズ。
・・・これは・・・無住?
重文の像もある寺なのに・・・?


まあ、そのままではラチが明かないので、調査を続けます。
お寺の斜め前には石碑がたくさんあります。
3群に分かれていて、向かって左には道祖神の一群。真ん中は代々の住職の墓群。左は子安講だのなんだのの一群。
「ガラガラ」は、ありません。


お寺にまっすぐ向かった道路を反対に行くとすぐに、左手の坂の上に墓地があります。
新しく整備されたらしいお墓には、比較的新しい墓石が立っていました。
下はコンクリ。
「ガラガラ」は、なし。


その坂の下より垂直に、寺の前の池を横切る道路を行きました。
急な坂を上りきると集落があり、さらに先を行くと墓地がありました。
こちらも新しく整備された様子。
新しい墓石と古い墓石が立っていました。
1家にのみ、やっと「ガラガラ」を発見。
それにしても妙です。
今まで古い農村の集落を見てきた中で、墓の前に「ガラガラ」があるのが限られた1軒のみ、というのはありませんでした。
大抵はほとんどの家で供えていました。
ぽつぽつと供えていたのは、新興住宅地で、やめた家と続けている家と元々やてない家が混在していた地域くらいです。


不安に思いつつ垂直に曲がって進みました。
するとまた墓地が。
やはり新しく、「ガラガラ」はない。
と、そこへ自分を怪しげにチラ見する男性がいたので、すかさず聞き取りを開始。
なんと、5年前くらいまではみんなやっていたが、墓地の下をコンクリにしてから、足を刺せなくなったからやめた、とのこと。
えええ〜・・・そんなあ・・・
・・・それでも色々、有意義な話を聞けました。
今は紙皿に供え物を載せて爪楊枝の大きいので地面に固定する。
お供えをするのは13日にやる家と14日にやる家がある。
供える対象は「ルスバンノヒト」だと寺の方で言われた。
先祖を家に迎えるが、迎えきれずに残るのが「ルスバンノヒト」である。
自分の家の墓は他にあるが、叔母の墓を掃除しに来た。
自分は寺の総代である。
結縁寺は無住である。
・・・2番目と3番目は、以外でした。
そうか、13日に「ガラガラ」に供えることもあるのか。
そして、寺の人が「ルスバンノヒト」のためである、と言うなんて。


男性にお礼を言い、道を進みます。すこし行って左に進むと、目当ての源頼政首塚がありました。
やはり「ガラガラ」はありません。
そればかりか、自治体史に「近くにある」と書かれ、写真が掲載されていた馬頭観音群がありません。
この写真が調査地を選んだ決め手だったのに・・・
・・・と、思い出しました。
最初に結縁寺で見た道祖神群。
ひょっとして、あれはここから移転されたものだったのでは?
・・・なんか、無駄足?
いや、まあ興味深い話も聞けたし・・・
しかしここはどうも調査にはふさわしくなさそうだ・・・


出向く途中で飲み物を調達しそびれ、集落内でも自販機がなかったため、少し脱水症状気味だったこともあり、早めに切り上げることにしました。
元々、13日は夕方に先祖を迎える日で、目当ての供え物は14日の墓参に関わるものだったので、今日の調査はそれほど重視していなかったので、いいのですが・・・
それにしても、大分ショック・・・
明日は別の場所を調査しよう・・・。


写真は、墓地の傍で栽培されていたトラノオの群生。
アップでも撮ってみました。