いやはやまいった・・・

今日は、また別の地元の図書館へ。
郷土資料に力を入れてます。
で。
「関東の葬制・墓制」ってー本を発見。
そこに、衝撃の記述が・・・
「異常死の埋葬は別」とか「疫病により死亡した者は自家の墓に埋葬しない」とかゆー内容です。
・・・て、ことはだ。盆に墓に参る対象は、自分が予想している死者たちではない、ということになる・・・
自分が研究しているのは、盆行事のうち、墓に供える棚状物件です。
対象地域は関東地方南部の平野部、河川が近いあたりです。
このあたりの家は、昔からの集落では月遅れの8月に盆を行います。
13日に、多くの地域で墓に先祖を迎え、家へと招きます。招いた先祖は家の中の盆棚で祭ることがほとんどです。無縁仏といわれる霊も、盆棚の下や軒先などで祭るところが多いようです。
で。
14日。家に招いて誰もいないはずの墓に家人が参ります。民俗地図で「留守墓参り」と記してあったのは、この14日の墓参のようです。
このときに墓にアラヨネなどをのせる用途で使われている棚状物件が、自分の研究対象です。
地方により上に乗せるもの、棚を供える対象、名称が異なり、その分布範囲から対象がどのように変化していったのかを考察したのが卒論です。
でもまだわからない。
14日に参る対象はダレか。複数の箇所で「ルスバンノヒト」とか「留守仏」とか呼んでいるようですが、それが具体的にどういうものなのかは、行事を行う本人にもわかっていないようです。
どうもこのあたりに、盆の祭祀対象に対する疑念があります。
これが、おそらく御霊であろうことは、ほぼ間違いないようです。棚状物件を供えないと「何かあったらイヤだから」と、この行事を続けている人の証言がこれを裏付けています。
では、「何か」をするこの「ルスバンノヒト」とは、一体どういう存在か。
異常死を遂げて正常に埋葬されない荒ぶる魂か。
と、いうことで洪水による水死者や、洪水を原因とする疫病による死者が多いと当たりをつけて、ここんとこ図書館に通っていたのですが・・・
家の墓に供えないのならば、1塔に1つ供えられる棚状物件の説明にはならないことになります。
ううむ・・・さてどうしたものか・・・
もうすこし視野を広げて、ちょっと全国の県史の民俗を当たり、留守墓参りにつけられた理由付けを探して見ます。
それと、生者が死者をどのように見ていたのか。信じる人が多い新興宗教や霊能力者が、どんな死者が何をすればどういう祟るのか、という説明をチェックしてみるのもテでしょう。信じる人が多い、ということは、より多くの人の潜在意識の方向性に合っている、ということでしょうから。
マーケットリサーチみたいなもんです。